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みぃ はぃ ゆ~

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2012年 06月 30日

梅バカ

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香り立つ梅の実と行き合うと、どうしても素通りできない。

そんな私は「梅バカ」だ。

この季節になると、自制していても店頭を覘き
梅の実の芳香がしてきたりしたら、もう気もそぞろである。
完熟梅の香りは、日本人のDNAに組み込まれているのだろう。

梅が実が好き。梅に関しては完全に花より団子、花より実。
日々のおにぎりに鋳込む梅干しに始まり、
料理はもちろん、胃の不調時には梅肉エキスを薬代わりに、と
梅には年中お世話になりっぱなしだ。

そもそも、そのままでは食べられない梅の実を、
これだけ有効に使い倒すとは、
梅仕事は日本人の知恵の結集といえるだろう。


梅とともに帰宅した日には、
他の用事を打っちゃって梅仕事に取り掛かる。
熟れた梅の香りに包まれてする「梅仕事」は何とも至福の時間。
ほんのこどものころから梅の実は毎年のように触っている。
勝手に手が動く。

まだ父と母の仲が良かったころ、
私も食堂の椅子に膝を立てて親の間に並んで
流れ作業の一端を担い一緒に梅仕事をしたものだ
そういう日曜日の午後は、父も母も機嫌が良かった

梅の芳香と指先に触れる実の感触は、安寧で幸せな記憶を連れてくる。
梅にまつわる家族の思い出が、我が家にしては珍しくとても良いことも
わたしに梅仕事を好きにさせている要因の一つかもしれない。

父は梅酒を、子どもたちは親の指導のもと、
梅のシロップを仕込んだ
これは梅ジュースのほか、夏のお楽しみの
自家製かき氷やアイスキャンディの材料にもなった。

母の梅干しは、消毒や計量がいい加減なので
うまくいったり、いかなかったりする。
それを知っているので、私も妹も心得ていて
自分で作るようになった今や手を抜かない。


狭いアパート暮らしになって以降考えなくてはならないのは、
限られた保管場所と容器の問題。
今入っているものをあれこれパズルのように移動して
あとは梅の顔を見ながら
梅干し、梅サワー、ジャムに仕込む。
わたしは赤紫蘇を入れない白干しの梅干しの方が好き。

毎年のことなのでいろいろ見なくても、もう材料の配合もOK.
でもちゃんとラベルに日付と計量した材料の量も記載して瓶に貼る。
こういうところは父のやり方を引き継いでいる。

この梅雨の時期、ゆららのキッチンは保存食で大混雑だ。
まだあちこちに塩蔵モズクを保存中のところへ
今年から加わった塩麹、シソの実、
定番のラッキョウ、山椒の実、各種梅モノ、
それにこれから漬ける紅ショウガも
みんなこの時期に作業が集中している。

たっぷり時間をかけて旬の食材と向き合い
じっくり集中してオフをキッチンで過ごす。
それは心の満たされるとても贅沢な梅雨の時期の楽しみ方。

梅仕事は、わたしにとって季節の風物詩。
去年は放射線問題で梅干しを作らなかった 。
今年は放射線はどうなのか知らないけれど
梅を干そうと思う。
夏の風物詩に欠ける日本の夏はさみしいから。


今シーズンはあともう一回くらい
近所で良い梅と出会えたら買ってしまうかも・・・?!

そう思っている私は、やっぱり「梅バカ」です。

by yuraranote | 2012-06-30 09:16 | 季節のひとコマ


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